2015年3月13日金曜日

お客様車両216

お客様車両
台湾 鐡支路(Touch rail)製 台鐡 DR3100形特急気動車
今回は、つい先ほど発売された台湾形の最新製品、DR3100形気動車を入手しました!
実車は1998年より製造された、台鐡の特急「自強号」に使われる4代目特急気動車。3両編成1030両が製造されました。設計は日本車輌で、第一編成は日本製ですがそれ以降は台湾国内でのライセンス製造です。キハ143や地方私鉄DCと似通った前面デザインや軽量ステンレス構造車体、ボルスタレス台車は日本製ということを強く感じさせますが、おおもとの設計母体は195060年代の米国製特急気動車「RDC」に範をとっているため、混血児的な印象も多く抱かせる外観の車体を、成型で上手く再現しています。

まず目につくのは強烈かつ実感的にステンレス車体再現した銀塗装。まるでメッキかともおもいます!ここまで輝きの強く品質の高い塗りは国産でも見られませんし、細部標記類もぬかりはありません。すこし採算度外視的なところも見受けられますが、製作スタッフの追及姿勢と意思を感じさせますね。

日本型的な前面も良く再現されています。スカートが警戒色であるトラ塗りとされていますが、それをデザインとして生かした前面塗り分けも楽しいです。向きにより幌付き・幌無しを作り分けているほか、旧日本統治時代の鉄道省規格由来である尾灯反射板のモールドもぬかりなく再現。(実車の営業運転では近年はあまりつかわれないようですが…)接着剤に頼らない設計をポリシーとしていることがみてとれますが、以前のTEMU1000タロコ同様設計がタイトと思え、分解の難易度が高い部分もあります。


動力はさらに改良され、フライホイールの惰走効果が効くようになっているほか、重量が増し安定して走行するようになり、ネジの使用が減っています。さて、実車では中間の運転台無し車は動力エンジンが搭載されていないのですが、模型では中間車に搭載されています。もっとも国内向け製品でも良くある処理ではありますし、先頭車に動力を積むと要素が集中しすぎて設計も取扱いも難くなるので、これはこれである意味正解ですね。
連結器は全面・中間とも独自設計のボディマウント自連型カプラー。やや繊細ではありますががっちり連結されます。中間連結面にもしっかり回送運転用の尾灯が再現され、灯部分には赤が製品状態で色差しされています。(KATOあたりの近年の製品でも省かれてしまうのが普通ですね)

屋上に搭載されている機器のうち、中間の大きなものは冷房でなくエンジンの補助機器。(日本型でいえばキハ181系やキハ66系(原形時)の屋上補助機器に相当するでしょうか。)
車体同様の輝きの強い銀塗装と共に内部もぬりわけられており実車を良く観察していると察せられますね。

ケースはより壊れにくいように微妙に改良されているようです。また、タロコ同様の凝りに凝りまくった丁寧な図解入り説明書は今回も健在。今回より図解部分に日本語も追加されています。やや直訳的で固い語彙遣いであると思いますが、海外プラモメーカーで見られるような珍妙な表現や意味不明な文字遣いではなく、普通に意味自体は通じます。


今回は海外の力の入った製品を久々に見ました。「ただ仕事だからやっている」のではなく「自分たちが欲しいものを作る」という模型作りの基礎である意思も強く感じられて非常に楽しいです。今後の製品も期待したいと思います。

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